「SEO対策(検索エンジン最適化)を考慮して、検索してほしいキーワードをふんだんに盛り込んだネーミングをすれば良いのでは?」
……なんて、考えたことはありませんか?
SEO対策を重視したネーミングは、検索エンジンでの上位表示を狙う上で確かに有効です。しかし、あまりにもSEOに特化しすぎると、逆にお客様に覚えてもらえず、ブランドとしての存在感が薄れてしまうリスクもあります。この記事では、SEOとネーミングのバランスをどう取るべきかについて述べてみます。
SEOに特化したネーミングの利点と問題点
SEOに特化したネーミングは、一見すると理想的な選択肢に思えます。具体的なキーワードを名前やタイトルに入れれば検索結果での露出が増え、サイトへのアクセス数が増加する可能性が高まるからです。
しかし、このアプローチにはいくつかの問題点があります。
顧客から覚えてもらいにくい
SEO対策用のキーワードを意識したネーミングは、説明的かつごく一般的なものになりがちです。その結果、他の似たような名前の中に埋もれてしまい、顧客にとって記憶に残りにくくなります。
たとえば、「東京不動産サービス」のような一般的な名称は、一度目にしても強く印象に残りにくいのです。
情報の出所に関心がはらわれない
SEOに過度に依存したネーミングやコンテンツは、検索結果には表示されるものの、情報の信頼性やブランドとしての価値が弱く見られることがあります。
特に、競争が激しい業界では、似たような名前があふれているため、ユーザーがその情報源をしっかり覚えない可能性が高くなります。結果として、ブランド認知度や信頼感の構築が難しくなります。
「AIによる検索結果の概要」表示の影響
最近では、Googleなどの検索エンジンがAIを活用して検索結果に概要を表示する機能を導入しています。これにより、ユーザーは検索結果ページ上で情報の要点をすばやく確認できるようになりました。
一方、この新しい傾向によって、特にSEOに特化したネーミングやコンテンツに対しては新たな課題が突きつけられています。
具体的には、ユーザーが検索結果の冒頭に表示された「AIによる概要」だけを見て満足するケースが増え、その結果として、実際のページへのクリック率が低下するはずです。
さらに、AIが表示する概要が情報の出所をはっきりと示さない場合、ブランドの存在感がさらに希薄化するリスクも高まります。
つまり、どれだけ検索結果に表示されても、AIの概要だけで情報が完結してしまうと情報提供元となるサイトへの訪問が増えず、情報提供元へのブランド認知も一切高まらない……というコトです。
SEO対策とブランド周知のバランスを取るためには
SEO対策とブランド周知を両立させるためには、SEO要素とブランドの独自性に関していかに良くバランスを取るかが鍵となります。
記憶に残るブランド名の構築
単なる「便利な情報屋」で終わらず価値あるブランドとしての認知を得るためには、ネーミングにおいてSEO対策ばかり気にするよりも、まずは覚えやすくてインパクトのあるブランド名を考えることの方が重要です。
「初回訪問時にブランド名を覚えてもらい、2度目以降の訪問ではブランド名で検索してもらう」
この図式を着実に築かない限り、検索結果の表示アルゴリズムの変更に右往左往させられたり、AIに要約されてしまってサイト訪問が増えなかったり、広告費をじゃぶじゃぶ垂れ流す羽目になったり……といった負のループから抜けられないからです。
その上でSEO対策については、①タイトルの後ろにキャッチフレーズをつけてその中に入れる、②description(説明文)の中に含める、といった手段を取るのがよいでしょう。
たとえば当所のサービスである namaelの場合、サービストップのTitleタグはこうです。
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名前募集・ネーミングなら namael(ナマエル)
こんな感じで、覚えやすい名前(固有名詞)と重要検索キーワードをミックスさせています。
あなたが普段利用しているWEBサービスや著名なWEBサービスのタイトルをよく研究して、SEOキーワードと自分のブランド名の両方を含めることが重要です。
まとめ
SEO対策とネーミングは互いに密接に関連してはいるものの、それぞれの目的が異なります。
SEOに特化しすぎたネーミングは一時的なトラフィック増加にこそ効果的ですが、長期的なブランド認知や顧客との信頼関係の構築には不向きです。特に、AIによる概要表示が普及する中で、ブランドとしての認知を確実に得るための戦略がますます重要となっています。
指名検索の増加を狙ったブランド周知施策を含め、SEOとブランド価値のバランスを意識した戦略を取ることで、持続的なビジネスの成長が期待できるでしょう。