ネーミングは生成AIにお任せ?①

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 今回はネーミング道場のLessonとは別の、いわば番外編みたいな扱いの記事です。

 namaelで報酬を出してまで名前募集をする際、あるいは名前募集プロジェクトにネーミング案を応募しようとする際、必ず気になるのがChatGPTをはじめとする「生成AI」の存在だと思います。

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  • そもそもネーミング程度なら、生成AIがチャチャッとやってくれるのでは?
  • ネーミングセンスなんてなくても、生成AIがあれば楽勝だし、名前募集なんていちいちするまでもないのでは?
  • 生成AIならタダ同然でネーミングできるし。カネかけて名前募集する必要なくね?

 私(こくぼ)にとってもnamaelというサービスを構築するにあたり、生成AIは避けて通れない相手でした。いや、まさに最大の味方であり、最大のライバルっていうんですかね。

 プログラム初心者でしかなかった自分がnamaelを完成させることができたという意味では、生成AIってもっとも頼れる味方だったんですよ。

 一方で、名前募集(クラウドネーミング)というスタイルが「世はまさに大AI時代」みたいな局面で本当に必要とされるのか。リアルでギャラ付きの名前募集なんてしなくても、生成AIに100でも200でも候補を出させてそこから選べば事足りるんじゃないか。普通の人ならそう考えるんじゃないかと。

 出来上がったnamaelにとっては最大のライバル、不倶戴天の敵でもあったワケです。

 そこで今回、「見せてもらおうか。連邦の新型人工知能の性能とやらを!」という感じで、自分がいつか作りたいと考えているゲームのタイトルをネタに、生成AIでまともなネーミングができるのか実際に試してみることにしました。

実験。この作品のタイトルを生成AIは導き出せるか?

 実は、内々ではタイトル決まってます。「撃鉄のストラディバリウス」といいます。

 自分ではなかなか気に入っているネーミングです。

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 「少年少女たちが武器としても使える改造楽器で闇の軍団と戦う」という作品の主題を体現できているし、ストラディバリウスという有名な言葉(楽器)さえ知っていれば忘れないと思うし、「撃鉄」との組み合わせで(プレイヤーにそう感じてもらいたい)冒険活劇的な血湧き肉躍るイメージも浮かぶし。ついでにいえば「撃スト」「ストスト」といった略称も浮かびやすい。

 先にネーミング道場01で挙げた「良い名前の条件」を満たしていると思います。

 ……自画自賛もちょっとアレなのでこの辺にしておきましょう。

 今回は、chatGPT4oにこの作品の主題を食わせてみて、ちゃんと「撃鉄のストラディバリウス」またはそれより良いと思えるタイトルが出てくるかどうかを試しました。

Turn01・最初のプロンプトを投下

 こんな質問を投げてみました。

 で、回答が以下。

 まずは英語で10件挙げてもらい。

 Onslaughtは「猛攻撃」、Rampageは「暴走、大暴れ」、Havocは「大混乱」って意味らしいです。

 次に日本語で10件。

 ……つーかコレ、関連語句をテキトーにつなげてるだけだよな!!

 とはいえ、これで「はいAIなんてアホオオオオオオオオ! やっぱり名前募集はnamaelで!! ウヒョオオオオオオオ」とは喜べません

 ChatGPTは「対話型」なので。このあとにもっと会話をつなげて、より深いところまで考えてもらわないと……つまり、人間が勝ったというにはまだ早い!

Turn02・裏の設定情報も与える

 まだまだ作者である自分とAIの間に情報格差が大きいので、その差を少し埋めてみます。

 ストラディバリウスというと弦楽器なのですが、自分の作品では「邪悪を滅ぼす聖なる楽器」の代名詞としてストラディバリウスを使っています。その情報を追加しました。

 そして出力されたのは……

 実は、6(Stradivarius Strike と ストラディバリウスの一撃)がちょっと惜しいんだけど、仮に「一撃」と「ストラディバリウス」が逆だったとして、「一撃のストラディバリウス」では満足しない。

 あと、タイトルの後ろ側に「—-ストラディバリウス」と持ってくる発想、ないのかね

Turn03・ヒロインの情報も与える

 実際のタイトルである「撃鉄のストラディバリウス」はヒロインの持っているバイオリンに由来するため、今度はヒロインの設定情報を少し与えることにしました。

 ちなみに、ヒロインの名前とかは与えていません。そんなの食わせたら本題(=撃鉄のストラディバリウスというタイトルをAIに出させる)から離れるだけなので。

 で、結果。

 もらった単語を一生懸命追加していくだけでした……

 あと、食った情報の取捨選択って概念がないのか、どんどんタイトル案が肥大化していく。

 しょうがねえな!!

Turn04・文字数制限をかける

 いま思えば、最初から字数制限はかけておくべきだったか。

 原点に返って短めにな!

 そして……

 というか、いままで設定とかいろいろ食わせてきたのに、アウトプット、これ……?

引用:『サラリーマン金太郎』本宮ひろ志 著(集英社)

 この流れの果てに「良い名前」が生まれる予感はないが、あとは生成AIお得意のアレである。

Turn05・数撃ちゃ当たる……?

 アレとはつまり「力押し」。人間と違ってゴミみたいなアイデアを嫌な顔ひとつせず100でも1,000でもジャンジャン出してくれるのが生成AIなので。

 そして結果は……

 (もう画面キャプチャで出すには縦長すぎるので、テキストで結果を貼ります)

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戦士のストラディバリウス光のストラディバリウス暗黒のストラディバリウス炎のストラディバリウス氷のストラディバリウス雷のストラディバリウス風のストラディバリウス大地のストラディバリウス星のストラディバリウス宇宙のストラディバリウス時のストラディバリウス幻想のストラディバリウス奇跡のストラディバリウス魂のストラディバリウス夢のストラディバリウス希望のストラディバリウス恐怖のストラディバリウス愛のストラディバリウス友情のストラディバリウス絆のストラディバリウス勇気のストラディバリウス忠誠のストラディバリウス覚醒のストラディバリウス追憶のストラディバリウス冒険のストラディバリウス秘宝のストラディバリウス伝承のストラディバリウス運命のストラディバリウス戦乱のストラディバリウス真実のストラディバリウス神話のストラディバリウス光輝のストラディバリウス混沌のストラディバリウス絶望のストラディバリウス勝者のストラディバリウス破壊のストラディバリウス再生のストラディバリウス転生のストラディバリウス永遠のストラディバリウス強者のストラディバリウス妖精のストラディバリウス魔王のストラディバリウス勇者のストラディバリウス忍者のストラディバリウス騎士のストラディバリウス魔術師のストラディバリウス戦乙女のストラディバリウス猛者のストラディバリウス覇者のストラディバリウス支配者のストラディバリウス守護者のストラディバリウス王者のストラディバリウス選ばれし者のストラディバリウス精霊のストラディバリウス守り手のストラディバリウス竜のストラディバリウス戦争のストラディバリウス審判のストラディバリウス戦いのストラディバリウス終焉のストラディバリウス黒のストラディバリウス白のストラディバリウス赤のストラディバリウス青のストラディバリウス黄金のストラディバリウス銀のストラディバリウス翠のストラディバリウス紫のストラディバリウス翡翠のストラディバリウス琥珀のストラディバリウス真珠のストラディバリウス竜巻のストラディバリウス嵐のストラディバリウス暴風のストラディバリウス津波のストラディバリウス炎上のストラディバリウス灼熱のストラディバリウス凍てつくストラディバリウス雪のストラディバリウス雨のストラディバリウス雲のストラディバリウス雷鳴のストラディバリウス日輪のストラディバリウス月光のストラディバリウス流星のストラディバリウス星明かりのストラディバリウス煌めきのストラディバリウス祝福のストラディバリウス冥界のストラディバリウス天界のストラディバリウス楽園のストラディバリウス牢獄のストラディバリウス神々のストラディバリウス悪魔のストラディバリウス地獄のストラディバリウス天使のストラディバリウス魔女のストラディバリウス亡霊のストラディバリウスゾンビのストラディバリウス幽霊のストラディバリウス天命のストラディバリウス魅惑のストラディバリウス呪いのストラディバリウス解放のストラディバリウス刃のストラディバリウス盾のストラディバリウス炎魔のストラディバリウス氷魔のストラディバリウス闇のストラディバリウス光の戦士のストラディバリウス音のストラディバリウス風の戦士のストラディバリウス大地の戦士のストラディバリウス星の戦士のストラディバリウス宇宙の戦士のストラディバリウス時の戦士のストラディバリウス幻想の戦士のストラディバリウス奇跡の戦士のストラディバリウス魂の戦士のストラディバリウス夢の戦士のストラディバリウス希望の戦士のストラディバリウス恐怖の戦士のストラディバリウス愛の戦士のストラディバリウス友情の戦士のストラディバリウス絆の戦士のストラディバリウス勇気の戦士のストラディバリウス忠誠の戦士のストラディバリウス覚醒の戦士のストラディバリウス追憶の戦士のストラディバリウス冒険の戦士のストラディバリウス秘宝の戦士のストラディバリウス伝承の戦士のストラディバリウス運命の戦士のストラディバリウス戦乱の戦士のストラディバリウス真実の戦士のストラディバリウス神話の戦士のストラディバリウス光輝の戦士のストラディバリウス混沌の戦士のストラディバリウス絶望の戦士のストラディバリウス勝者の戦士のストラディバリウス破壊の戦士のストラディバリウス再生の戦士のストラディバリウス転生の戦士のストラディバリウス永遠の戦士のストラディバリウス強者の戦士のストラディバリウス妖精の戦士のストラディバリウス魔王の戦士のストラディバリウス勇者の戦士のストラディバリウス忍者の戦士のストラディバリウス騎士の戦士のストラディバリウス魔術師の戦士のストラディバリウス戦乙女の戦士のストラディバリウス猛者の戦士のストラディバリウス覇者の戦士のストラディバリウス支配者の戦士のストラディバリウス守護者の戦士のストラディバリウス王者の戦士のストラディバリウス選ばれし者の戦士のストラディバリウス精霊の戦士のストラディバリウス守り手の戦士のストラディバリウス竜の戦士のストラディバリウス戦争の戦士のストラディバリウス審判の戦士のストラディバリウス戦いの戦士のストラディバリウス終焉の戦士のストラディバリウス黒の戦士のストラディバリウス白の戦士のストラディバリウス赤の戦士のストラディバリウス青の戦士のストラディバリウス黄金の戦士のストラディバリウス銀の戦士のストラディバリウス翠の戦士のストラディバリウス紫の戦士のストラディバリウス翡翠の戦士のストラディバリウス琥珀の戦士のストラディバリウス真珠の戦士のストラディバリウス竜巻の戦士のストラディバリウス嵐の戦士のストラディバリウス暴風の戦士のストラディバリウス津波の戦士のストラディバリウス炎上の戦士のストラディバリウス灼熱の戦士のストラディバリウス凍てつく戦士のストラディバリウス雪の戦士のストラディバリウス雨の戦士のストラディバリウス雲の戦士のストラディバリウス雷鳴の戦士のストラディバリウス日輪の戦士のストラディバリウス月光の戦士のストラディバリウス流星の戦士のストラディバリウス星明かりの戦士のストラディバリウス煌めきの戦士のストラディバリウス祝福の戦士のストラディバリウス冥界の戦士のストラディバリウス天界の戦士のストラディバリウス楽園の戦士のストラディバリウス牢獄の戦士のストラディバリウス神々の戦士のストラディバリウス悪魔の戦士のストラディバリウス地獄の戦士のストラディバリウス天使の戦士のストラディバリウス魔女の戦士のストラディバリウス亡霊の戦士のストラディバリウスゾンビの戦士のストラディバリウス幽霊の戦士のストラディバリウス覇王のストラディバリウス仁義のストラディバリウス革命のストラディバリウス輝きのストラディバリウス勝利のストラディバリウス雷鳴のストラディバリウス終末のストラディバリウス記憶のストラディバリウス謎のストラディバリウス零のストラディバリウス優雅のストラディバリウス慈悲のストラディバリウス緋色のストラディバリウス氷結のストラディバリウス混乱のストラディバリウス未来のストラディバリウス静寂のストラディバリウス海のストラディバリウス森のストラディバリウス島のストラディバリウス崖のストラディバリウス砂漠のストラディバリウス湿地のストラディバリウス湖のストラディバリウス地下のストラディバリウス谷のストラディバリウス城のストラディバリウス都市のストラディバリウス未来都市のストラディバリウス異界のストラディバリウス異次元のストラディバリウス四次元のストラディバリウス時空のストラディバリウス太陽のストラディバリウス月のストラディバリウス銀河のストラディバリウス星々のストラディバリウス宇宙のストラディバリウス真夜中のストラディバリウス夕暮れのストラディバリウス黒夜のストラディバリウス朝日のストラディバリウス黄昏のストラディバリウス日没のストラディバリウス暁のストラディバリウス曙のストラディバリウス逆襲のストラディバリウス覇者のストラディバリウス終わりのストラディバリウス再始動のストラディバリウス魂のストラディバリウス神々のストラディバリウス神話のストラディバリウス伝説のストラディバリウス魅惑のストラディバリウス魔法のストラディバリウス魔導のストラディバリウス魔界のストラディバリウス妖精のストラディバリウス妖魔のストラディバリウス妖術のストラディバリウス妖怪のストラディバリウス妖姫のストラディバリウス魔女のストラディバリウス魔王のストラディバリウス悪魔のストラディバリウス亡霊のストラディバリウス魂のストラディバリウス勇者のストラディバリウス勝者のストラディバリウス光のストラディバリウス闇のストラディバリウス雷のストラディバリウス風のストラディバリウス地のストラディバリウス炎のストラディバリウス水のストラディバリウス氷のストラディバリウス大地のストラディバリウス空のストラディバリウス海のストラディバリウス島のストラディバリウス山のストラディバリウス川のストラディバリウス砂のストラディバリウス森のストラディバリウス湖のストラディバリウス谷のストラディバリウス地底のストラディバリウス天空のストラディバリウス異界のストラディバリウス時空のストラディバリウス幻のストラディバリウス夢のストラディバリウス希望のストラディバリウス

 結果:何気に100どころか300出させてみたけど、「撃鉄のストラディバリウス」という本来のタイトルも、それより良さげなタイトルも出してもらえませんでした

 現時点で、生成AIはネーミングにおける打ち出の小槌じゃないな、と。

 「単に100でも1,000でも数を出させれば、その中にいい名前がある」というワケにはいきませんでした。

やってみての感想

 率直な感想として、もしかするとChatGPTは「ボヤッとした概念からネーミングを考える」のは苦手なんじゃないかと感じました。あと、食った情報からそんなに沢山の関連語句は拾っていなくて、せいぜい100程度の関連語句をピックアップし、あとはそれらの組み合わせに頼っている感じ。

 上で300挙げさせたパターンも、よく見ると最初の100ぐらいまではそれなりに考えてきた感があるんだけど、200、300と進むごとに品質が怪しくなって(笑)。それまで出てきた言葉の組み合わせで数を稼いだり(101~200あたり)、関連性も何も無視してテキトーに辞書の中の当たり障りない言葉を絡めて水増ししてくるようになった感じ(201~300あたり)です。

 もし、上のような考え方で本当に名称案の生成を処理しているというなら、人間であれば可能な「ちょっと飛躍した発想」をさせたり、一見して無関係な言葉をうまく結びつけ全体としてジャストフィットさせたりするのは難しいかも……

 いや、300も案を出させるとこちらのリクエストと無関係な言葉を平気で提案してはくるんだけど、そのチョイスが、単に辞書から「(気候とか天文とか地理の用語みたいな)汎用的に使える当たり障りない単語」を取ってくるだけなので、いまいちブレイクスルーがない。

 本当にランダムチョイスでどっか別の国の意味不明な言葉でも何でも引っ張ってきて繋げてくれれば奇跡的な組み合わせも生まれそうなんだけど……。

 では、生成AIを使って適切にネーミングをさせることは本当にできないのか?

 別アプローチを試した結果は、後編「ネーミングは生成AIにお任せ?②」でレポートします。

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