特許庁発行の資料から身も蓋もない引用をすると、以下のような制度です、
現在、マドリッド協定議定書(以下、「マドプロ」という。)の締約国は112カ国であり、その中から権利を取得したい国(指定国)を指定することにより、複数国に同時に出願するのと同等の効果を得ることができるという制度です。 マドプロを利用して国際登録出願(以下、「マドプロ出願」という。)を行うと、従来の各国別の出願制度に比べ、簡単な手続でスピーディーに世界各国で商標の保護を求めることができ、 また経費の節約や手続の一括化など、多くのメリットがあります。
商標の国際登録制度活用ガイド – 特許庁
要は、「マドリッド協定の議定書」という国際的な枠組みが既にあり、そこで決まったルールに則って出願を行うと、1つの出願で他の複数の条約加盟国に向けて自分の商標をビシバシ出願するのと同じ効果を得られますよ……というコト。
こんなざっくり説明でOKではなく、しっかり理解したい方は特許庁の案内を確認しましょう。
複数の指定締約国に向けて一気に出願できるのはいいのですが、そこは国際出願なのでいろんなハードルや注意点があります。
↓ ↓ ↓
- 願書を英語で書く必要あり。
- EUや米国など、指定国ごとにマイナールールがあるので願書中の項目や追加書面などで細かく対応する必要あり。
- そもそも「自国の商標登録(または商標登録出願)の効力を他の締約国に拡張する」出願であるため、日本から利用する場合、まず日本国内で商標登録または商標登録出願を済ませ、基礎登録(基礎出願)を確保しておく必要あり。
namaelで取得した名称について国際登録を利用するには
namaelで新たに取得した名称についてマドプロ国際出願をお考えの場合、まずは当該名称につき、国内で商標登録出願を行う必要があります。
上にさらっと注意点を書きましたが、マドプロ国際出願は、基礎となる自国の商標登録(または商標登録出願)の効力を他の指定締約国へ拡張するための出願だからです。
また、基礎となる自国の登録商標(または出願)と完全同一の商標につき、その指定商品・指定役務の範囲内で、同一の出願人(名義人)が出願しないとダメ。
さらにいえば、国内の商標につき、ちゃんと商標登録がなされたことを見届けてから国際出願にとりかかるべきです。
これは、マドプロの規定に「セントラルアタック(中核攻撃?)」というものがあるから。
国際出願をしたあと、本国の登録商標が異議申し立てや無効審判その他で消滅させられたり、商標登録出願が拒絶されたりすると、各指定締約国への商標登録は消滅/商標登録出願は取り下げ扱いとなるためです。本国の商標がダメになったら、他の指定締約国への登録や出願も道連れでやられます、と。
なので、国内での権利化すら確定していない出願段階で国際出願に手を出すのはキケンです。
namaelで取得した名称について商標登録を受けたうえで、さらにマドプロを利用して国際出願を行いたいとお考えの場合は、namaelの運営元であるライツプラス弁理士事務所のお問い合わせフォームよりご連絡ください。